ご挨拶
女のスペース・おんは1993年の春、女性のためのネットワーク事務所として札幌に開設されました。「女(おんな)」から「名(な)」をとって「おん」。無名の女性たちの連携こそが世の中を変えていくという思いが込められています。また、英語の「GO ON」や「SWITCH ON」のように「前進する」「変える」という意味も含んでいます。
1995年、北京世界女性会議に参加した女性たちが全国各地で民間シェルターを立ち上げ、女性に対する暴力は社会問題であるという運動のうねりをつくりました。このうねりの中で、女のスペース・おんは1997年に北海道で初めてのDV被害女性のための民間シェルターを立ち上げ、1998年に札幌で第1回全国シェルターシンポジウムが開催しました。
1997年、私は3人の子どもを連れて、立ち上がったばかりの民間シェルターに避難しました。法律も制度も何もない中、女性に対する暴力根絶を強く求める女性たちの連携と連帯で私たち親子は守られました。同時に被害当事者を軸とする新たな女性運動は、これまでなかった道を切り開いてもきたのです。当事者が声をあげなければ何も変わらないということをこの20年で学ばせてもらいました。
2001年にDV防止法が施行されてから約20年がたちました。その間、新たな制度が作られ、被害者支援に対する理解も広がってきました。刑法も110年ぶりに改正されました。しかし、性暴力被害女性に対するバッシングに象徴されるように、日本における女性に対する差別はまだまだ強く残っています。一方諸外国を見ると、クオーター制度など、女性の政治参加が活発な国は女性や子どもへの支援制度がとても整っています。
女のスペース・おんはジェンダー平等を目指し、あらゆる運動・事業を展開してまいります。
皆さまのご支援を心よりお願いいたします。
特定非営利活動法人
女のスペース・おん
代表理事 山崎 菊乃