DV家庭の子どもへの影響


●面前DV

DVが起きている家庭では、同時に子どもへの虐待が行われている場合があります。

 

直接、虐待を受けている場合のほか、子どもが見ている前で夫婦間で暴力をふるうことは子どもへの心理的虐待になります。これを面前DVといいます。

 

●子どもへの影響

子どもが虐待を受けたり、面前DVを受けながら育った場合は、人格形成に多大なる影響を受けます。

下記のような影響が考えられます。

  • 強者が弱者を支配するのが自然、「弱いこと」が悪いと考えるようになる
  • 暴力で問題解決しようとする
  • 空想の世界への逃避
  • 激しい怒り
  • 自分がDVの原因だと思い罪悪感を感じて育つ
  • 自分がDVを止めれない無力感を感じて育つ
  • 自己評価が低くなる
  • 常に緊張を強いられ、安全感や安心感が育たない
  • 他者を信頼できない
  • 楽しい時がいつ崩れるか分からない不安をいつも持ち、楽しめない

 

上記の心理的な影響から

  • 夜尿症
  • 自傷行為、自殺未遂
  • 家出
  • 不登校
  • 暴力

などの行為や症状を引きおこすことがあります。

 

また、DV被害をうけている人は加害者に対する恐怖心から、子どもへの虐待を制止することができなくなる場合があります。

 

2019年に、虐待が原因で死亡した疑いのある痛ましい事件がありました。この事件よりDVと虐待の関係が明るみになってきました。 

<参考>野田小学4年生女児虐待死事件(2019年1月)

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児童虐待とDVとの関係性が問われた事件。これを受けてNPO法人全国女性シェルターネットが声明文を公表。
野田小4女児虐待事件とは、2019年1月に千葉県野田市で起こった、小4女児が両親の虐待が原因で死亡した疑いのある事件。母親が虐待を止めれなかった背景に夫からのDVがあったとされる事件。
千葉県野田市事件声明文.pdf
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児童虐待とは


保護者がその監護する児童(18歳未満)に行うもので、殴る、蹴るなどの身体的虐待や、性的虐待だけでなく、心理的虐待ネグレクトも含まれます。 

 

●身体的虐待

殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、冷水をかける、長時間正座させる 等

 ●心理的虐待

言葉による脅しや無視、兄弟間での差別的扱い、子供の前で家族に対し暴力をふるう(DV)等

●性的虐待

子供への性的行為、性的行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にする 等

●ネグレクト

家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、病気になっても病院に連れて行かない、子供に関心を持たず育児を放棄する 等

 

虐待かなと思ったらここへ相談


虐待を受けている子どもや、虐待してしまっている親は、自分から「助けて」と言いにくいかもしれません。そもそも虐待だと思っていないかもしれません。

 

子どもは、殴られる、閉じ込められる、食事を与えられないなどのことをされても、「自分が悪いからだ」と自分を責めていることがあります。

 

親は、虐待してはいけないと思っていても、その行為をとめられなくなってしまうことがあります。「助けてほしい」「誰かとめてほしい」と思っていることも少なくありません。

 

虐待かもと思ったら、お住まいの市町村、児童相談所までご相談ください。

 

「児童相談所虐待対応ダイヤル189」にかけるとお近くの児童相談所につながります。通告・相談は、匿名で行うこともでき、通告・相談した人、その内容に関する秘密は守られます。

 

内閣府HP「DV(ドメスティック・バイオレンス)と児童虐待 ―DVは子どもの心も壊すもの―」より抜粋